EXHIBITIONS

美術にアクセス!―多感覚鑑賞のすすめ

2021.06.05 - 08.01

過去の鑑賞支援ツール展示風景 ツールは三重県立城山特別支援学校高等部とデザイナー・楠木一徳(KUSUKI DESIGN)との共同開発 撮影=松原豊

過去の鑑賞支援ツール展示風景 ツールは三重県立城山特別支援学校高等部とデザイナー・楠木一徳(KUSUKI DESIGN)との共同開発 撮影=松原豊

バルトロメ・エステバン・ムリーリョ アレクサンドリアの聖カタリナ 1645-50頃 三重県立美術館蔵

中澤弘光 絵葉書『美人と感覚』より「嗅(女学生)」 1905(明治38) 三重県立美術館蔵

 三重県立美術館は展覧会「美術にアクセス!―多感覚鑑賞のすすめ」を開催中。本展では、障がいのある人に向けてつくられた教材やプログラムにヒントを得ながら、触覚や聴覚を活用した鑑賞や、想像力で様々な感覚を結びつける鑑賞を提案する。

 2018年、三重県立美術館は「誰もが利用しやすい環境」を整えることを活動指針のひとつに定めた。「多感覚鑑賞」とは、複数の感覚を使うという意味の「多感覚」と「鑑賞」を組み合わせた造語であり、同館では、すべての来館者が感覚や想像力を駆使して作品を享受できるような作品を提案することを目指して、県内の特別支援学校などとの連携事業も進めてきた。

 本展では、所蔵作品から五感を喚起する油彩画、彫刻、版画などおよそ50点を紹介し、「絵画に音や香りを感じてみる」といった切り口で、来館者が自らすすんで美術を鑑賞することを提案。また、凹凸のある作品の簡易図など、鑑賞に役立つツールや教材をともに展示することで、同館が目標とする「誰もが利用しやすい環境」を整える第一歩とする。

 一部の彫刻作品は、目が見える/見えにくい/見えないにかかわらず直接ふれることも可能。会期中の6月6日、26日、7月3日、22日、8月1日の14:00〜17:00には、ふれる作品の数を増やして展示する。