EXHIBITIONS

都美セレクション グループ展 2021

暗くなるまで待っていて

「暗くなるまで待っていて」ビジュアル(デザイン:星加陸)

飯嶋桃代 個展「Recovery room―ましましいねつるかも」(ギャルリー東京ユマニテ、東京、2021)展示風景 撮影=加藤健 参考画像

池添俊 きっとうまく話せない ビデオスチル 2021 出展予定作品

石川亮 Emulsion-Based Anatomy ビデオスチル 2021 出展予定作品

斎藤英理 全ての傷が癒えますように ビデオスチル 2021 出展予定作品

南俊輔「Zoom in out」(玉川大学大学3号館102展示室、東京、2018)展示風景 出展予定作品

「都美セレクション グループ展」は、新しい発想によるアートのつくり手の支援を目的とした企画公募の展覧会。10回目となる今年は、「体感展企画室」「暗くなるまで」「版行動」の3グループが参加し、様々なジャンルの作品からなる、東京都美術館の展示空間だからこそ実現可能な展覧会を開催する。

 ギャラリーBでは、「暗くなるまで」が展覧会「暗くなるまで待っていて」を開催。飯嶋桃代、池添俊、石川亮、斎藤英理、南俊輔のアーティスト5名の作品を展示する。

「暗くなるまで」は、 美術と映画の領域で、主にインスタレーションや映像作品の制作を行うコレクティブ。まなざしの揺らぎや記憶の所在、映写と投影の相互性など、多面的な観点から制作を実践している。

 日用品をオブジェとして構成する作品を基軸に、サウンドや映像を用いたインスタレーションも展開している飯嶋、個人の声や記憶を収集し、普遍的な声へと再構成するスタイルで映像作品を手がける池添、国立映画アーカイブで小型映画の検査に携わったのち、現在はフィルムによる映像作品やインスタレーションを発表する石川。斎藤は、記憶や認識など目に見えない不確かな動態をモチーフに、写真や映像メディアを用いて制作し、南は、映写機という装置そのものや映写技師による映写の行程など、映画周辺の環境に着目して、映像インスタレーションの制作やパフォーマンスを行っている。

 本展は、インターバルを設けて映像を展示・上映することで、作品が互いに呼応しあうかのようなひとつの連動性をもった空間をつくり上げる。暗室でフィルムに焼き付けられた像が浮かび上がるのを待つように、劇場でスクリーンに光が灯るのを見守るように、個々の映像が動き始めるまでの時間も含めて楽しんでほしい。