山田千尋「ユニーク」

　新進気鋭の画家・山田千尋がギャラリーノマルでの初個展を開催。本展では「ユニーク」をテーマに、大小様々な作品で空間を埋め尽くす。

　山田は1994年京都府生まれ。2016年に京都市立芸術大学美術学部美術科油画専攻を卒業。以降、模索をしながらも日々描き続け、今日独自のスタイルを確立しつつある。

　山田の絵の特徴は、目を引く軽やかな色彩、薄い層でありながら独特な質感を感じさせる筆跡、そして主にSNS上で掲載されている写真から抽出した、通常目を向けられることのない歪なモチーフへの強い執着がある。時間をかけて丹念に描かれたその画面には、物事をあらゆる角度から偏見なくとらえ、かけがえのないものへと昇華する画家自身のまなざしが反映されている。

　本展では、小さいもので1号から100号を超える大作まで、同じモチーフを題材とした作品を複数点展示。様々なサイズと数を通して、ものの見方、感じ方の多様性、自由さを提示するとともに、そこからさらに描くことの唯一性（＝本質）を探求する試みとなる。