EXHIBITIONS
榎本耕一「最悪なことはまた起こるのか、 最悪なことはあじわいたくない。」
過去・現在・未来を重ね描くペインター・榎本耕一の個展がArt Center Ongoingで開催されている。
榎本耕一は1977年大阪府生まれ。金沢市立美術工芸大学、同大学院修士課程で学ぶ。これまで主に油彩を用い、あらゆるイメージが複雑に重なり合う高密度で力強い絵画作品を発表。また今年2月には写真展を開催するなど、自身の表現手法を更新し続けている。
本展「最悪なことはまた起こるのか。最悪なことはあじわいたくない。」では、さらに新たな展開として、現代のとある家族を主人公としたマンガ作品を発表。一家が「原爆」を思わせる強烈な閃光(作中でその正体は明言されない)に遭遇する場面が描かれ、「自分が何をされたかわからない、その大きなこと」がテーマとなっている。
榎本は、このテーマに至るまでに多くの書籍、絵との出会いや体験を自身のなかに蓄積したという。丸木位里・俊の《原爆の図》、大江健三郎の『ヒロシマ・ノート』、石牟礼道子の著作や古事記、更級日記、古典、折口信夫、和歌、そして東日本大震災による原発事故。そのなかでも、丸木位里・俊の本『ピカドン』に収録されている1枚の絵は重要な存在であり、作中にも引用されている。
「最悪をイメージするには、想像力を使うしかない」と語る榎本。今作ではマンガというメディアの特有性を生かして、自身から湧き上がるビジョンを鮮明に表現し、最悪なことは決して遠い過去の出来事ではなく、これからも繰り返される可能性があることを伝える。
榎本耕一は1977年大阪府生まれ。金沢市立美術工芸大学、同大学院修士課程で学ぶ。これまで主に油彩を用い、あらゆるイメージが複雑に重なり合う高密度で力強い絵画作品を発表。また今年2月には写真展を開催するなど、自身の表現手法を更新し続けている。
本展「最悪なことはまた起こるのか。最悪なことはあじわいたくない。」では、さらに新たな展開として、現代のとある家族を主人公としたマンガ作品を発表。一家が「原爆」を思わせる強烈な閃光(作中でその正体は明言されない)に遭遇する場面が描かれ、「自分が何をされたかわからない、その大きなこと」がテーマとなっている。
榎本は、このテーマに至るまでに多くの書籍、絵との出会いや体験を自身のなかに蓄積したという。丸木位里・俊の《原爆の図》、大江健三郎の『ヒロシマ・ノート』、石牟礼道子の著作や古事記、更級日記、古典、折口信夫、和歌、そして東日本大震災による原発事故。そのなかでも、丸木位里・俊の本『ピカドン』に収録されている1枚の絵は重要な存在であり、作中にも引用されている。
「最悪をイメージするには、想像力を使うしかない」と語る榎本。今作ではマンガというメディアの特有性を生かして、自身から湧き上がるビジョンを鮮明に表現し、最悪なことは決して遠い過去の出来事ではなく、これからも繰り返される可能性があることを伝える。