EXHIBITIONS

松谷武判、藤本由紀夫「RHYTHM」

松谷武判 円2000-1 2000

藤本由紀夫 TOP(SPIRAL) 2012

松谷武判 直線-2000 2000

松谷武判 丘、月-3 2015

藤本由紀夫 top522018 2018

藤本由紀夫 top142018 2018

 世界を舞台に広く活躍し、関西にも深いゆかりのある美術家、松谷武判と藤本由紀夫の2人展「RHYTHM」が開催されている。

 松谷は1937年大阪市生まれ。60年代より戦後まもなく開発されたビニール系接着剤を使い、物質そのものがかたちづくる有機的なフォルムを取り入れたレリーフ状の作品を発表。作品の表面に黒鉛の繊細な光沢を見せ、その官能的なかたちと質感で、新しい絵画の可能性を示す。吉原治良に認められて具体美術協会のメンバーに参加。29歳でフランス政府給費留学生として渡仏し、その後パリのアトリエを拠点に、一貫して黒と白の世界を描いてきた。2019年にはポンピドゥー・センターでも個展が開催されるなど、世界的に評価が高まっている。

 藤本は1950年名古屋市生まれ、大阪市在住。70年代より電子機器を用いたパフォーマンスやインスタレーションなど、人間の知覚を喚起する作品を展開。これまで2度のヴェネチア・ビエンナーレ出品も果たし、世界的に高い評価を得ている。「音」を「かたち」にとらえたサウンド・オブジェを中心に、鑑賞者それぞれの感覚に委ねる藤本の作品は、空間における「音」の体験から新たな認識を開かせてくれる。

 本展は「リズム」をキーワードに展示を構成。松谷の制作の動作から生じる鉛筆のストロークや振動など、視覚から見る者に訴えかける「リズム」と、藤本の作品が直接的に奏でる聴覚としての「リズム」という、一見まったく異なるふたりの表現を結びつけ共通項を見出すことで、それぞれの新たな側面を紹介する。