EXHIBITIONS

奇想の国の麗人たち ~絵で見る日本のあやしい話~

2020.10.31 - 2021.01.31

御正伸 葵 1981 御正進氏蔵

加藤美紀 日高川 2020 個人蔵

玉井徳太郎「雨月物語―蛇性のひと」(原題・蛇性の婬) 1966 弥生美術館蔵

水島爾保布 人魚の嘆き 1919 弥生美術館蔵

橘小夢 紫式部妄語地獄 1935頃 大塚十三氏蔵

 民族に共通する特性を伝える伝承文学。例えば日本には、鳥や狐が人間に化けて嫁になったという話が多く伝わっているが、ほかの国にはめったになく、ここに日本人の特質があるという。

 弥生美術館で開催中の「奇想の国の麗人たち」展では、日本人が長年語り伝えてきた昔話・伝説・古典を、関連する挿絵・絵画とともに紹介。中世の絵巻や奈良絵本、江戸時代の絵草子や浮世絵の複写、古典文学の一角を占めている男性同性愛の作品、さらに、コロナ禍で注目を集めるようになった「アマビエ」など、各時代に描かれた挿絵・絵画を展示する。

 加えて、明治から昭和初期に出版された雑誌の挿絵や現代の画家の絵画は肉筆を出展。大正デカダンスの画家として人気の高い橘小夢の屏風絵や、70年代を中心に活躍した挿絵画家・田代光による「今昔物語」の原画、そして現在も活躍する画家・加藤美紀の作品など初公開作が多数揃う。

 挿絵や絵画とともに伝承文学を楽しみながら、時代によって変遷し、いまに続く日本の心にふれてほしい。