EXHIBITIONS

ザ・トライアングル

木村翔馬:水中スペック

木村翔馬 水中スペック VR映像の一部 2019

グループ展「楽観のテクニック」(BnA Alter Museum、2020)での展示風景

木村翔馬 Hot Pink Curtain 2019

木村翔馬 In the Curtains 2019

グループ展「貫く棒の如きもの」(TALION GALLERY、2019)での展示風景 撮影=木奥惠三

木村翔馬 デジタルワールド 2018 撮影=木奥惠三

 京都市京セラ美術館が新進現代作家の作品を展示する企画展シリーズ「ザ・トライアングル」。第2弾では大阪出身のアーティスト、木村翔馬(きむら・しょうま)を迎える。

 木村は1996年大阪府生まれ。2020年に京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程絵画専攻を修了。「京都市立芸術大学作品展・有志展2017」市長賞(2018)、「第4回CAF賞」最優秀賞(2017)を受賞。近年の主な個展に、「dreamのあとから(浮遊する絵画とVRの不確定)」(ninetytwo 13 gallery、東京、2018)、主なグループ展に「楽観のテクニック」(BnA Alter Museum SCG、京都、2020)、「ignore your perspective 49『紙より薄いが、イメージより厚い。』」(児玉画廊、東京、2019)などがある。

 木村が制作するのは、筆や絵具、キャンバスを用いた従来の絵画とともに、その絵画的ルールを取り入れた3DCG(3次元コンピュータグラフィックス)、VR(バーチャルリアリティ)による作品。デジタル技術は、作家にとって浮遊する線や色面といった新たな表現の可能性を開くいっぽうで、「水中での動きづらさに近いもの」というこれまでにない感覚ももたらし、木村はそんなデジタルとアナログが重なり合う現代で、絵画のあり方を探っている。

 最新作を含む本展は、2次元のキャンバスと3次元のVR、その中間ともいえる透明なガラス窓(北西エントランス、ザ・トライアングルの地上部分)を支持体とする作品で構成。3つの異なる空間を舞台とする作品は、相互に関係し合いながら、それぞれ鑑賞者に新たな絵画世界を垣間見せる。