EXHIBITIONS
岩井優「Control Diaries」
アーティスト・岩井優がTakuro Someya Contemporary Artでは3年ぶりとなる個展を開催。本展では、岩井が関わった除染にまつわる記録を、映像インスタレーションやペインティング、フォトブックで構成し展⽰している。
岩井は1975年京都生まれ。2009年東京藝術大学美術研究科修了。「クレンジング(洗浄・浄化)」を主題として、映像作品を中心に、インスタレーション、パフォーマンスなど多様なメディアを用いて展開している。
東日本大震災後、除染に定期的に関わったきた岩井。その活動のなかでスマートフォンで撮影した写真を時系列で配置し、398ページに及ぶ「フォト・ダイアリー」にまとめた。「フォト・ダイアリー」には、道端に咲く花といったニュースでは取り上げられない景色、また作業員同⼠の関わりや作業環境、プライベートな⽣活の様子などが作業者視点で収められている。
80点並ぶ写真作品群に⾒られるどこにでもあるような町並みは、岩井が道路除染後、主に作業のない⽇曜や休⼯⽇に中判カメラを持参して撮影したもの。道路にはゴミや小石がひとつも落ちておらず、側溝のふたの表⾯は⾼圧洗浄で洗われ⽩くなり、⺠家の塀の汚れとコントラストを⽣み出す。また毎日1分間スマートフォンで撮影する空の写真は、⽇々の天気の移ろいや、70度を越すこともある屋根の上での、作業者の⾁体的な負荷を記録するものでもある。
岩井はともに過ごしながら記録していく参与観察的⼿法で、除染にまつわる現場に⾝を寄せてきた。そこでは、対象となる道や空は特定の「ここ」ではなく、「どこでもありえる」という⼀貫した⽴場を取っている。
本展では、「decontamination=汚染を取り除く」という清掃や浄化と同じ地平にある⾏為の記録を、インスタレーションなどで再構成し、特定の事象を世界的な広がりへと接続することを試みる。
岩井は1975年京都生まれ。2009年東京藝術大学美術研究科修了。「クレンジング(洗浄・浄化)」を主題として、映像作品を中心に、インスタレーション、パフォーマンスなど多様なメディアを用いて展開している。
東日本大震災後、除染に定期的に関わったきた岩井。その活動のなかでスマートフォンで撮影した写真を時系列で配置し、398ページに及ぶ「フォト・ダイアリー」にまとめた。「フォト・ダイアリー」には、道端に咲く花といったニュースでは取り上げられない景色、また作業員同⼠の関わりや作業環境、プライベートな⽣活の様子などが作業者視点で収められている。
80点並ぶ写真作品群に⾒られるどこにでもあるような町並みは、岩井が道路除染後、主に作業のない⽇曜や休⼯⽇に中判カメラを持参して撮影したもの。道路にはゴミや小石がひとつも落ちておらず、側溝のふたの表⾯は⾼圧洗浄で洗われ⽩くなり、⺠家の塀の汚れとコントラストを⽣み出す。また毎日1分間スマートフォンで撮影する空の写真は、⽇々の天気の移ろいや、70度を越すこともある屋根の上での、作業者の⾁体的な負荷を記録するものでもある。
岩井はともに過ごしながら記録していく参与観察的⼿法で、除染にまつわる現場に⾝を寄せてきた。そこでは、対象となる道や空は特定の「ここ」ではなく、「どこでもありえる」という⼀貫した⽴場を取っている。
本展では、「decontamination=汚染を取り除く」という清掃や浄化と同じ地平にある⾏為の記録を、インスタレーションなどで再構成し、特定の事象を世界的な広がりへと接続することを試みる。