EXHIBITIONS
ショナ・トレスコット「A Minute to Midnight」
ショナ・トレスコットは1982年オーストラリア生まれ。シドニーの国立芸術学校絵画専攻卒業し、風景画を中心に「人間と自然との関係」を主題とする絵画作品を制作。科学的なデータ、現地でのリサーチ、想像、そして作家の私的な物語に結びつく記憶など、様々な領域を参照することによって、自然、愛、恐れ、神話の本質を探求し続けている。
4年ぶりの発表となる本展では、「Land’s End(陸の果て)」をテーマに描かれた新シリーズを紹介。地球物理学の枠組みにおいて「Land’s End」という言葉は、海と大地、大地と空、空と海の境を隔てることによってかたちづくられた「端」を意味する。
トレスコットは、故郷であるオーストラリアの想像を絶する美しさと儚さを併せ持つ風景に惹きつけられ、今回の作品に取り組んだという。世界遺産に登録された世界最大のサンゴ礁地帯「グレート・バリア・リーフ」に浮かぶ手つかずの小さな島にある「ワン・ツリー・アイランド科学研究所」に滞在し、気候変動について研究している科学者たちとともに過ごしながら制作活動を行った。
局地的にも国際的にも大きな問題を抱えた場所として、同時に、未知の領域や科学研究の最先端を探求できる場所として、この環境と関わり合ったトレスコット。干ばつで荒廃したオーストラリア内陸のマレー川を描写した作品は、人間の不在と存在とを併置することにより、直接的な人間の影響と産業規模の風景の搾取によって極度に圧力がかかった結果が描かれている。
本展では、キャンバスに油彩で描かれた新作絵画24点を展示。トレスコットによる静かに満たされたペインティングは、場所と空間の自由な考え方を喚起しながら、本質に関わる広大な何かを含む。光と闇の衝動は、急速に変化していく世界のなかで、私たちが探そうとしている目的地への窓として描かれ、感情や感覚、心の状態におけるとめどない好機を呼び覚ますだろう。
4年ぶりの発表となる本展では、「Land’s End(陸の果て)」をテーマに描かれた新シリーズを紹介。地球物理学の枠組みにおいて「Land’s End」という言葉は、海と大地、大地と空、空と海の境を隔てることによってかたちづくられた「端」を意味する。
トレスコットは、故郷であるオーストラリアの想像を絶する美しさと儚さを併せ持つ風景に惹きつけられ、今回の作品に取り組んだという。世界遺産に登録された世界最大のサンゴ礁地帯「グレート・バリア・リーフ」に浮かぶ手つかずの小さな島にある「ワン・ツリー・アイランド科学研究所」に滞在し、気候変動について研究している科学者たちとともに過ごしながら制作活動を行った。
局地的にも国際的にも大きな問題を抱えた場所として、同時に、未知の領域や科学研究の最先端を探求できる場所として、この環境と関わり合ったトレスコット。干ばつで荒廃したオーストラリア内陸のマレー川を描写した作品は、人間の不在と存在とを併置することにより、直接的な人間の影響と産業規模の風景の搾取によって極度に圧力がかかった結果が描かれている。
本展では、キャンバスに油彩で描かれた新作絵画24点を展示。トレスコットによる静かに満たされたペインティングは、場所と空間の自由な考え方を喚起しながら、本質に関わる広大な何かを含む。光と闇の衝動は、急速に変化していく世界のなかで、私たちが探そうとしている目的地への窓として描かれ、感情や感覚、心の状態におけるとめどない好機を呼び覚ますだろう。