花坊 個展「little hong kong; a little rooftop」

　香港と東京を拠点として活動する写真家・花坊（kabo）の個展が開催されている。

　花坊は、香港の鬼才クリエーター、エリック・コットが主催する「XX WORKSHOP」のメンバーとして活動。エリックが仕掛ける奇妙な映画や音楽、ファッションの企画にフォトグラファーとして活動する傍ら、香港での日々のスナップショットを撮り続けている。

　花坊の写真は、何気なく視線を向けた香港の風景のなかで、「西洋と東洋」「富と貧困」「都市と自然」「生と死」といった対極なもの同士が至近距離で対比されて、同居する様子を映し出す。

　本展では渋谷にあるアートスペースBLOCK HOUSEの4階を、自身にとっての内なる「小さな香港」として見立てた写真とインスタレーション作品を発表。「香港の密集した高層ビルの小さな住居」としてインスタレーションした空間のなかで、花坊が20年以上の歳月をかけて撮り続けた香港の写真が展示される。

　香港の現在と未来についてを憂いを感じながらも、新型ウイルスによってしばらく渡航できないことに大きな不安を感じているという花坊。今回の展示は、帰りたいけれど帰れない作家のなかにある「内なる香港」を通し、私たちの暮らす日本、そして東京という場所について改めて考察する内容となっている。本展は松下徹（SIDE CORE）が企画をサポート。