EXHIBITIONS

風能奈々「祈りに似たもの」

2020.07.07 - 07.26

風能奈々 マンドラゴラのルビン 2020 Photo by Kenji Takahashi ©︎ Nana Funo Courtesy of Tomio Koyama Gallery

 刺繍や織物を思わせる繊細な絵画を描いてきた画家・風能奈々の個展が、Meets by NADiffで開催されている。

 風能は1983年静岡県生まれ。2006年大阪芸術大学芸術学部美術学科油画コースを卒業後、08年に京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画専攻油画を修了。現在は静岡に在住し、制作を行う。近年の個展に「触っても触っても遠い」(小山登美夫ギャラリー、東京、2019)。主な展覧会に、「びじゅつじょろん 2」(藤枝市民会館、静岡、2020)、「JAPAN 7」(SILVERLENS、マニラ、2016)、「絵画の在りか」(東京オペラシティ アートギャラリー、2014)などがある。

 風能の作品は、風能が幼い頃から愛しむ想像や物語の世界と、高い密度の多様なマチエールが絡み合って、何層にも重ねられたアクリル絵具が重層的で硬度な印象を生み出す。画面はまるで磁器や彫金を思わせるかのような表情を持ち、刺繍や織物のような繊細な筆致がその表面のテクスチャーを超えて大きな物語を語る。

 本展では、今年2月に静岡県藤枝市で開催された「びじゅつじょろん 2」展のために手がけた新作を発表。新型コロナウイルス感染症の拡大防止に伴う展覧会の中止のため、ほぼ誰も見ることのできなかった新作を改めて渋谷にて展示する。