歌川広重展 ー東海道五拾三次と雪月花　叙情の世界ー　

　浮世絵風景画でその名を馳せ、「漂泊の詩人」とも評される江戸の絵師・歌川広重（1797〜1858）。広重の手がけた名所絵や道中絵といった風景画は、単にその土地の景観を描いたものではなく、その土地の風俗、天候や移りゆく四季折々の自然や風物を詩情豊かに謳いあげた。

　広重の風景画には自然の風景や橋、宿や茶屋などの事物のみならず、人々の営みや大名行列などの人物も描かれ、日本各地をめぐる旅の楽しさが見る者に伝える。また、印象派をはじめとする西洋の画家たちが広重の作品を模写するなど影響を与え、日本のみならず世界の人々を魅了している。

　本展では、名作《東海道五拾三次》（保永堂版）などの風景画をはじめ、花鳥画、戯画、さらには広重の卓抜した描写力をうかがわせる肉筆画を展示。様々なジャンルを通して、広重の作品世界を紹介する。

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