木村秀樹

　画家、版画家の木村秀樹はこれまで国際的な版画展に出品し多くの賞を受賞、長年に渡り第一線で活躍を続け、国内外で高い評価を得ている。
　
　2015年より始まった、木村の70年代から現在に至る仕事を4年間計7回の会期で開催するプロジェクト「Project Periods」の5回目となる本展では、96年から継続中の「Misty Dutch」シリーズを展示。近代絵画の極点、抽象絵画の完成者の一人、モンドリアンの作品をコンピュータに読み取り、その画像をグラフィック・アプリケーションを使って変形させていく。

　同プロジェクトでは、これまでに制作してきた膨大な数の作品群の中から10のシリーズを選び、当時と同様あるいは類似の版を用いて、現在の視点から新たなシルクスクリーン作品を制作。旧作とあわせて発表する。また、木村の仕事の本質を探るべく、木村を古くから知る京都市美術館学芸員によるナビゲートも行われる。

　なお、プロジェクトで制作された10枚の新作版画作品は、2018年に1冊のポートフォリオとして出版が予定されている。