EXHIBITIONS

〝江川式〟擬洋風建築

-江川三郎八がつくった岡山・福島の風景-

2020.03.05 - 05.23

旧亀岡家住宅 (1904年、1995 年に福島県伊達市に移築、国指定重要文化財) 撮影=小野吉彦

遷喬尋常小学校本館中央棟(旧称、1907、岡山、国指定重要文化財)の2階の広大な講堂。二重折上格天井が圧巻。  撮影=小野吉彦

倉敷幼稚園舎(旧称、1915、国登録有形文化財)の構造模型(1/30) 真庭市・真庭市教育委員会蔵 撮影=小野吉彦

岡山の街角に立つ3つの江川式建築が写る古写真 画像提供=江川三郎八研究会

※新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、3月より開催を休止していた「-江川三郎八がつくった岡山・福島の風景-」展は、5月11日をもって開催を中止。詳細は公式ウェブサイトにて案内。

 江川三郎八(1860〜1939)は、明治から昭和にかけ、福島と赴任先の岡山の両県で学校や警察署、銀行など多くの擬洋風建築の建築設計に携わり、両県に西洋の風をもたらした建築技師。岡山では、日本建築の寸法体系といった元堂宮大工ならではの癖が残る江川の建築は「江川式」とも呼ばれ、同県の建築デザインを特徴づけるまでになった。

 その真骨頂は、洋式の橋梁構造(トラス)を取り入れた独自の「江川式小屋組」。映画『ALWAYS 三丁目の夕日』の舞台にもなった「遷喬尋常小学校本館」(旧称、岡山、国指定重要文化財)の講堂は「江川式小屋組」の好例のひとつで、天井裏を木造のトラスにすることで無柱の大空間をつくり出した。
 
 本展では、「遷喬尋常小学校本館」や神社を含む現存9作品を中心とした「江川式」擬洋風建築を、撮り下ろし写真と解説、また模型や資料など約80点で紹介。また、かつてあった作品についても当時の風景を撮影した古写真で紹介する。