EXHIBITIONS

第10回円空大賞展

-希求、未来への創造-

2020.01.30 - 03.08

安藤榮作 鳳凰 2016

池田学 誕生 2013-16 佐賀県立美術館蔵 Collection of Saga Prefectural Art Museum デジタルアーカイブ: 凸版 印刷株式会社/Digital Archive: TOPPAN PRINTING CO.., LTD Ⓒ IKEDA Manabu of Courtesy Mizuma Art Gallery Tokyo, Singapore

大嶽有一 円 ・空 2019 Photo by Miyagawa Kunio

羽田澄子 薄墨の桜 1977 © 彼方舎

 江戸時代に美濃国で生まれ、修行僧として全国を行脚しながら生涯に12万体もの神仏像を彫り続けたと伝えられている円空。岐阜県では、「円空の独創性や慈愛の精神」を注目すべき本県の個性ととらえ、1999年より土着の伝統に根ざしながら独創的な芸術を創造している芸術家に「円空大賞」を贈っている。

 第10回円空大賞展では、円空の生き方を感じさせるとして、円空大賞にTara Océan財団が、円空賞には、安藤榮作、池田学、大嶽有一、羽田澄子の4名が選ばれた。

 世界を舞台に環境問題の提起につながる調査を続け、海洋が未来のために決定的な役割を果たしていることを、アートを通して次世代に伝えるTara Océan財団。人・自然・宇宙とのつながりの大切さを訴え、原木や流木を手斧1本で叩き続けてつくられた木彫に、生きる瞬間の感覚を刻みつける安藤。小さなペンのみの超絶技巧で、ミクロとマクロを併せ持つ独特の世界観をつくり上げる池田。鉄の板を用いて、均整のとれたシンプルなフォルムを追求し、錆びさせることで存在感のある作品をつくり出す大嶽。そして日本の記録映画史に残る監督であり、社会問題や伝統芸能等に関わる人の生き方を美しく記録した羽田。

 21世紀の円空ともいうべき受賞作家たちの作品が一堂に会する本展では、高山の円空仏11体と受賞者5組の作品が呼応する会場構成を試みる。