EXHIBITIONS

あざみ野フォト・アニュアル 横浜市所蔵カメラ・写真コレクション展

ダゲレオタイプ-記憶する鏡

ジョン・アダムス・ホイップル キャロライン・オルムステッドの肖像 1855

プラッド・D・バビット ナイアガラ瀑布 1853頃

制作者不詳 ダゲレオタイプ処理用具一式 1845頃

 横浜市民ギャラリーあざみ野では「あざみ野フォト・アニュアル」と題し、毎年、写真表現の現在を切りとる企画展と横浜市所蔵カメラ・写真コレクション展を同時開催。2019年度のコレクション展では、写真誕生から180年を記念して、世界で最初の写真術「ダゲレオタイプ」をテーマに、コレクション約100点を紹介する。

「ダゲレオタイプ」はフランスのルイ・ジャック・マンデ・ダゲール(1787〜1851)によって発明され、39年に科学アカデミーで公表された写真術。当時はヨーロッパを中心に、各地で写真の発明に向けて様々な試みが行われていたこともあり、その発表は衝撃をもって迎えられたという。銀メッキした銅板に写す手法のダゲレオタイプは複製は不可能ながら、鏡面のように磨かれた銀板に写しだされた精緻なイメージが「記憶する鏡」とも言われ、人々を驚嘆させた。

 本展では写真が誕生したヨーロッパと、ダゲレオタイプが大きく発展したアメリカを中心に、写真技術が模索された初期においてどのように伝わり、受容されていったかを、写真、カメラ、撮影器具や関連資料を通して探る。