松﨑友哉「トリ抜け」

　ロンドンを拠点に活動するアーティスト・松﨑友哉の東京初個展が開催される。

　松﨑は1977年福岡県生まれ。97年に渡英し、02年にセントラル・セント・マーチンズ・カレッジオブアートアンドデザイン学士課程を、04年にチェルシー・カレッジオブアートアンドデザイン修士課程修了した。

　18年に、ピーター・ブレイク、デヴィッド・ホックニー、ピーター・ドイグなども受賞した権威ある絵画公募展「ジョン・ムーアズ・ペインティングプライズ」に入選。自身の作品制作のほか、アーティストの視点で展覧会のセルフ・キュレーションやプロジェクトスペースの立ち上げに携わるなど活動は多岐にわたる。

　松﨑の絵画作品は、歪な形状の石膏に穴を穿った支持体に描かれることが特徴。絵画という空間と、石膏と絵具からなる物質の2つのハーモニーを導き、絵画を生み出すことができるかを制作の核としている。

　本展では、石膏に開けた穴に松﨑が与えた呼び名「トリ抜け」をキーワードに、絵画と物質という多次元的な要素を共存させようと試みる松﨑の絵画作品を紹介する。