Gallery selection: Video works

　ギャラリー小柳では、映像作品を特集したグループ展を開催する。

　出展作家は、デモなどの特殊な状況が発生する場とそこに居合わせた人々の関係性を映像化する柳瀬安里、映像を「見る」、音楽を「聞く」といった複合的な知覚経験を伴う作品を制作するジャネット・カーディフ＆ジョージ・ビュレス・ミラー、フランドル絵画を思わせる静謐なペインティングのほか、映像作品なども手がけるミヒャエル・ボレマンスの3組。

　本展は、柳瀬が、東日本大震災と原発事故を受けて書かれたエルフリーデ・イェリネクのテキストを暗唱しながら、沖縄高江の一本道を歩行する《光のない》（2016–17）、意識を失っているのか、あるいは酔いつぶれたのか、ホテルのベッドに伏せった女性を写すモニターと、犬の吠え声が流れるスピーカーで構成されるカーディフとミラーによる《Kathmandu》（2007）、白衣を着た3人の人物が、あたかも手で白い布を浮かせているように撮影された、ボレマンスの《The Feeding》（2006）とほか1点の、計4点の映像作品で構成される。