EXHIBITIONS

生誕120年 芸術写真の神様 塩谷定好とその時代

2019.11.16 - 12.15

塩谷定好 龍巻 1929 鳥取県立博物館蔵

塩谷定好 トンネルのある風景 1930 鳥取県立博物館蔵

塩谷定好 村の鳥瞰 1925 鳥取県立博物館蔵

塩谷定好 三人の少女像 1930 鳥取県立博物館蔵

福原信三 廣告版 作品集「巴里とセーヌ」の10 1913-1921 渋谷区立松濤美術館蔵

石田喜一郎 露地 1923 渋谷区立松濤美術館蔵

山本牧彦 花を持てる少女 1926 横浜美術館蔵(小西庵子氏寄贈)

田村栄 髪すく女 1931 一般財団法人日本カメラ財団蔵

 塩谷定好(しおたに・ていこう)は、大正末から昭和初期にかけて活動した「芸術写真」の第一人者。鳥取県の赤碕を拠点に、山陰の風景や人物を独特の美意識のもとにソフト・フォーカスでとらえた塩谷の作品は、写真雑誌『カメラ』や『アサヒカメラ』などが主催するコンクールや全国規模の公募展で多数入選。植田正治をはじめ、アマチュア写真家たちから尊敬された。

 戦争による空白期間を経て復帰し、地元のカメラクラブを中心に終生にわたって作品をつくり続けた塩谷。1982年にドイツのケルンで開催された世界最大の写真関連見本市「フォトキナ写真展」で最高賞を受賞し、近年では美術館での個展も相次いで開催されるなど再評価の動きが高まっている。

 本展では、塩谷の生誕120年を記念し、20年代の初期作品から、あまり知られてこなかった戦後〜70年代にかけての作品を一堂に展示。また、日本の芸術写真を牽引してきた代表的な作家や、塩谷と交流のあった日本光画協会の会員、カメラ雑誌『芸術写真研究』や地元のカメラクラブで同時代に活動していた写真家たちの作品もあわせて紹介し、人々を魅了した芸術写真の時代とその精神について検証する。