EXHIBITIONS

武蔵野美術大学のデザイン教育アーカイブ

島本脩二「本を作る」展 デザイナーと編集者の役割

学生の課題書籍と島本脩二 2019 撮影=佐治康生

 武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科の授業「編集とデザイン」の講師を務めた編集者・島本脩二(しまもと・しゅうじ)のデザイン教育の実践を振り返る展覧会が開催される。

 島本は1946年新潟県生まれ、70年早稲田大学教育学部卒業。小学館で雑誌『週刊ポスト』『GORO』『マミイ』『写楽』の編集部員。『P.and』『TOUCH』『SAPIO』の編集長を経て、書籍編集部に異動。82年に企画編集した『日本国憲法』はベストセラーになり、現在発行部数は110万部を超えている。

 主に編集に携わった書籍に、矢沢永吉『成りあがり』、YELLOW MAGIC ORCHESTRAの写真集『OMIYAGE』『SEALED』、岩合光昭『おきて』『クジラの海』、石川賢治『月光浴』、大山行男『初めての富士山』ほか多数。2003〜2016年まで視覚伝達デザイン学科の授業「編集とデザイン」の講師として、「印刷」や「紙」「製本」など、「本」をつくる過程で欠かすことのできない編集者とデザイナー両者が関わる領域を扱いながら、それぞれの役割を学生たちに教え伝えた。

 本展では、学生自らが著者、編集者、デザイナーとなり、10年後の自分を読者と想定して制作した課題書籍『20XX年の私』約180点を一堂に展観し、島本のデザイン教育の成果を紹介。また、ベストセラーとなった『日本国憲法』をはじめ島本が編集を手がけた「本」約140点を展示し、学生たちに伝えてきた「デザイナーと編集者の役割」とは何か、その思想と実践に迫る。