EXHIBITIONS

FUJIFILM SQUARE 写真歴史博物館 企画写真展

「覚醒する写真たち」 今 道子 + 佐藤時啓

2019.09.01 - 10.29, 2019.10.30 - 12.27

今道子 タコ+メロン  1989 © Michiko Kon Courtesy of PGI

今道子 鮭+鰈+ハイヒール 1987 © Michiko Kon Courtesy of PGI

今道子 赤い燕尾服 1994 © Michiko Kon Courtesy of PGI

佐藤時啓 #275 Koto-ku Aomi 1996 シリーズ「光-呼吸」より © Tokihiro Sato

佐藤時啓 #1 1988 シリーズ「光-呼吸」より © Tokihiro Sato

 現代美術で写真を使った作品が注目を集めるようになった1980年代後半に、作家活動を開始した今道子と佐藤時啓。異色の写真家と呼ばれる2人のアーティストによる展覧会が開催されている。

 今は1955年生まれ。創形美術学校で版画を学んだのち写真に転じ、85年から本格的に作家活動を開始。野菜や魚、果物といった食物、帽子やハイヒールなどの素材を緻密に組み合わせたオブジェを制作し、自ら撮影して印画紙に焼きつける独自のスタイルを確立する。作家のイマジネーションを具現化した特異なオブジェは見る者を刺激し、代表作「EAT」に象徴される奇妙で魅惑的な作品は、現在さらなる進化を遂げている。

 佐藤は57年生まれ。東京藝術大学美術学部および同大学大学院で彫刻を学んだ後、80年代後半に彫刻の制作から写真に転じた。作家自身がペンライトや鏡を持ってカメラの前で動き回り、長時間露光でその光の痕跡や空間をとらえた代表作「光-呼吸」のシリーズをはじめ、その創作活動において一貫して写真の原理を追究している。

 写真以外の美術から写真表現に行き着いた2人の共通点は、三次元のオブジェや身体的運動を印画紙という二次元に完結させていること、写真芸術として認められるプリント作品を最終形態としていること。両者の表現は限りなくアートに近い写真作品でありながら、反比例するように写真の原理や本質の近くにある。

 本展は、第1部は今、第2部では佐藤、それぞれの初期から現在までの作品を集約して展示。写真表現がますます多様化している今日、ふたりの写真作品から「写真とは何か」を再考する。