東山魁夷のスケッチ －欧州の古き町にて

　自然との対話を通じ、多くの作品を世に送り出した日本画家・東山魁夷。いっぽうで魁夷は、欧州の古き町といった長い歴史の移ろいを宿す場所を愛し、その姿をスケッチに描き留めた。

　本展では、長野県信濃美術館 東山魁夷館が所蔵する魁夷の欧州取材によるスケッチの数々を中心に展示。旅のスケッチをもとにした本制作約5点もあわせて紹介する。

　長い時間を必要とする本画とはまた異なり、欧州の町の佇まいに抱く強い憧憬や折々の感興がそのまま表現されたスケッチ。そこから、魁夷の自由で解放された心の動きを感じ取ることができるだろう。