EXHIBITIONS
森芳雄と仲間たち
親子の強い絆を描いた母子像、生命力溢れる裸婦像、若者を扱ったエネルギーみなぎる青年群像などの人物画で知られる昭和の画家・森芳雄。第二次世界大戦による東京大空襲で焼け野原となった東京で、森自身も戦前の大切な作品を失った虚無感に苛まれながら、当時の日本の置かれた苦しい精神状況を、男女ふたりの裸体像を通して見事にとらえ、戦後の洋画界の金字塔とされる《二人》(1950年、紀伊國屋書店蔵)を描き上げた。
森は制作において《二人》と同様に、対象を特定できるような細部を描かず、暗褐色の落ち着いた色調を使って描写。面や線、陰影などで構成した独特の具象表現は、ときに人物を組み込んだ抽象画を思わせ、新しい具象絵画を切り拓こうとした画家の意欲を感じることができる。
本展では、2018年に世田谷美術館に新しく寄贈された、森の代表作を含む油彩、素描などを初公開。これまでの所蔵作品3点を加え、抽象と具象の狭間で独自の画業を構築した森の絵画世界に迫る。
あわせて、山口薫、難波田龍起、麻生三郎、須田寿、脇田和ら、新しい絵画の創造に全身全霊を傾けた同世代の画家たちの作品も紹介。小コーナーでは、駒井哲郎の詩情豊かなモノタイプの版画作品をまとめて展示する。
森は制作において《二人》と同様に、対象を特定できるような細部を描かず、暗褐色の落ち着いた色調を使って描写。面や線、陰影などで構成した独特の具象表現は、ときに人物を組み込んだ抽象画を思わせ、新しい具象絵画を切り拓こうとした画家の意欲を感じることができる。
本展では、2018年に世田谷美術館に新しく寄贈された、森の代表作を含む油彩、素描などを初公開。これまでの所蔵作品3点を加え、抽象と具象の狭間で独自の画業を構築した森の絵画世界に迫る。
あわせて、山口薫、難波田龍起、麻生三郎、須田寿、脇田和ら、新しい絵画の創造に全身全霊を傾けた同世代の画家たちの作品も紹介。小コーナーでは、駒井哲郎の詩情豊かなモノタイプの版画作品をまとめて展示する。