EXHIBITIONS
山口啓介 後ろむきに前に歩く
1980年代後半、方舟を描いた大型の銅版画作品でデビューした美術家の山口啓介。以後は版画にとどまらず、花や種子、心臓、人体とモチーフを変化させながら、絵画や立体など様々な形態の作品を制作してきた。2013年の瀬戸内国際芸術祭でノアの方舟のエピソードをもとに、鎮魂を込めた《歩く方舟》を設置。15年のいわき市立美術館、15〜16年にかけての豊田市美術館での大規模個展などで、人を包み込むようなスケール感の絵画、版画や彫刻、インスタレーションなどを展開した。
いっぽう、東日本大震災の3日後、2011年3月14日から山口は、後に「震災後ノート」と名づけられる「日記」をつけ始め、今日まで1日も欠かさず書き続けている。原子力発電にまつわる情報を中心に、日々のニュースを書き写した「震災後ノート」は、現実の流れに抗って自分の足で歩もうとする山口の意志の表れである。
「人は未来を見ることはできず、見えるのは過去か、いまという瞬間だけだから、後ろ向きに前に進んでいるようなものだ」と語る山口。現在は、重なる顔をモチーフにした大型絵画の制作に注力し、力強いイメージを表現している。
本展は、山口の約3年ぶりとなる回顧展。新作の大型絵画3点を含む作品約120点とともに、過去や記憶を背負いながら歩きつづけるための術を探る。
いっぽう、東日本大震災の3日後、2011年3月14日から山口は、後に「震災後ノート」と名づけられる「日記」をつけ始め、今日まで1日も欠かさず書き続けている。原子力発電にまつわる情報を中心に、日々のニュースを書き写した「震災後ノート」は、現実の流れに抗って自分の足で歩もうとする山口の意志の表れである。
「人は未来を見ることはできず、見えるのは過去か、いまという瞬間だけだから、後ろ向きに前に進んでいるようなものだ」と語る山口。現在は、重なる顔をモチーフにした大型絵画の制作に注力し、力強いイメージを表現している。
本展は、山口の約3年ぶりとなる回顧展。新作の大型絵画3点を含む作品約120点とともに、過去や記憶を背負いながら歩きつづけるための術を探る。