EXHIBITIONS

札幌美術展 砂澤ビッキ ―風―

2019.04.27 - 06.30

砂澤ビッキ 四つの風 1986 札幌芸術の森野外美術館 撮影=前澤良彰(2018)

砂澤ビッキ 午前三時の玩具 1987 撮影=佐藤雅英 札幌芸術の森美術館蔵

砂澤ビッキ 無題 1983 札幌芸術の森美術館蔵

 北海道の豊かな木材資源をもとに、ダイナミックな造形を手がけた彫刻家・砂澤ビッキの没後30年を記念した展覧会が開催される。

 砂澤は1931年旭川市生まれ。木という素材に向き合い続け、木に宿る「樹氣(きき)」をあらわにすることに挑んだ。その作品のひとつ、「風」のシリーズは、樹氣が力強く躍動感のあるかたちで表現されており、ビッキの自然への畏怖の念を体感させてくれるもの。また、札幌芸術の森美術館併設の野外美術館で常設展示される大作《四つの風》は、30年以上経過したいま、彫刻家の生前の意図を汲み、自然の成り行きに任せ、「風雪という名の鑿(のみ)」によって変化を続けている。

 本展では、「風」シリーズを中心とした彫刻作品とともに、これまでの《四つの風》の記録を写真や映像で紹介。自然が芸術に与える力を明らかにする。このほか、「絵描きとしてのビッキ」「カナダでの制作」「ビッキの遺したもの、そして没後の30年」など多彩なセクションを設け、同館が行ってきた研究・調査の成果と新たな視点を交えて、砂澤の功績を回顧する。