EXHIBITIONS
福嶋幸平
maps
福嶋幸平は1989年東京都生まれ、横浜美術大学卒業。現代における芸術写真のあり方を模索し、様々なメディアを横断して制作に取り組んでいる。近年の主なテーマは「眼には映らないものを具現化させること」であり、自然崇拝に到る過程や死をモチーフに制作。襖や屏風、連作といった連続性と非連続性を同時に含む形式を利用することで、生や死、神や自然といった超越的なものをとらえようとしている。
本展で展示する《maps》のモチーフとなった地図アプリケーションは、単なるプランビューであったそれまでの地図概念を書換え、地図のなかを歩ける体験を提供したメディアでだ。サービス開始からすでに10年以上が経ち、私たちの日常もまた地図アプリケーションによって拡張されてきたといえるだろう。
たしかに地図アプリケーションは現実の世界を正確に写しとり、私たちの「日常」を拡張した。しかしそれによって現実の、私たちが「歩くことのできる世界」が変わったわけではなんらない。それらのメディアは、これまで私たちに現実によく似た「なにか」を提供し、これからより一層と私たちの日常に溶け混んでくるだろう。本作品は、この日常的な出来事と化しつつあるアプリケーションがPCに読み込まれる瞬間に発生するノイズをとらえることで、メディアが作り出した日常風景を超え、より現実的な世界の姿を写し出そうと試みたものである。
本展で展示する《maps》のモチーフとなった地図アプリケーションは、単なるプランビューであったそれまでの地図概念を書換え、地図のなかを歩ける体験を提供したメディアでだ。サービス開始からすでに10年以上が経ち、私たちの日常もまた地図アプリケーションによって拡張されてきたといえるだろう。
たしかに地図アプリケーションは現実の世界を正確に写しとり、私たちの「日常」を拡張した。しかしそれによって現実の、私たちが「歩くことのできる世界」が変わったわけではなんらない。それらのメディアは、これまで私たちに現実によく似た「なにか」を提供し、これからより一層と私たちの日常に溶け混んでくるだろう。本作品は、この日常的な出来事と化しつつあるアプリケーションがPCに読み込まれる瞬間に発生するノイズをとらえることで、メディアが作り出した日常風景を超え、より現実的な世界の姿を写し出そうと試みたものである。