EXHIBITIONS

たばこと塩の博物館開館40周年記念特別展

産業の世紀の幕開け ウィーン万国博覧会

2018.11.03 - 2019.01.14

装飾メアシャムパイプボウル JTI オーストリアコレクション © Pedro Salvadore

染付御所車蒔絵大花瓶 有田ポーセリンパーク蔵

金属製灯籠 レオポルトシュタット地区博物館蔵 © Sandro E.E. Zanzinger

壬申二月澳地利国博覧会出品呼びかけ 1872 渋沢史料館蔵

澳国博覧会参同記要 1897 東京大学経済学部資料室蔵

グスタフ・クリムト キモノを着た女(油彩画《リア・ムンクの肖像Ⅲ》のための習作) 1917-18 個人蔵

 1873年、日本が国家として初めて公式に参加した万国博覧会「ウィーン万国博覧会」。近代化を目指す明治政府の方針で進められ、残されている準備段階の資料群からは、日本の文化・技術を世界に示すとともに、欧米の技術を学ぶ機会ととらえた明治政府の意気込みが感じ取れる。

 日本からの出品物は、各種工芸品や皮革、染織、家屋の雛形、人形、生活具、農具、楽器、庭園など多岐にわたり、教育、農業、軍隊などについても紹介された。さらに、名古屋城の金鯱、鎌倉大仏の張子、約3.5mの大提灯など、製作技術の高さを伝える大規模なものも出品された。これらはヨーロッパの人々の大きな反響を呼び、のちのジャポニスムにもつながっていく。

 その後の日本では、輸出産業の育成に力を注ぐとともに、国際ルールに則った特許や商標登録制度などを整備。ウィーン万国博覧会は、日本の産業の近代化に大きな役割を果たした。

 本展では、参加準備段階、実際の博覧会とそれ以降の日本産業界の動きの3時期に分けて資料を展示し、ウィーン万国博覧会への参加が日本にもたらしたものを検証。さらに、日本の芸術に大きな影響を受けた世紀末ウィーンの画家、グスタフ・クリムトの習作2点が特別展示される。