アートたけし展

　漫才師として一時代を築き、大御所となった現在もお茶の間を沸かせるお笑い芸人・ビートたけし。また、俳優として映画に出演し、映画監督としては名だたる国際映画祭で受賞。北野武の名を世に知らしめ、芸術の国・フランスから3度にわたって勲章が授けられた。近年ではアートの分野にも挑戦し、ますます活動の幅を広げている。

　「オイラの絵とか並べて展示とかしてみたら、見て喜んでもらえたりするかなぁ？ 」という、ビートたけし自身の発案により開催が決まった本展。本人たっての希望により、展示はノンコンセプト、作品はすべてノンタイトルで構成し、会場全体にビートたけしならではのエッセンスを散りばめて、カオスの中にも独特のウィットに富む雰囲気があふれる展示空間を演出する。

　「絵を描く事」は、自身にとってもっとも素に近い世界だというビートたけし。その絵画には、自らが手を動かし、夢中になって無意識あるいは無心に表現した世界が詰まっている。

　なお、本展の音声ガイドの第1部は『ビートたけしのTVタックル』のメンバー、阿川佐和子、大竹まこと、江口ともみ。第2部では美術評論家の山田五郎が解説を担当。「ビート」でも「キタノ」でもない、「アートたけし」の作品の数々を心のままに楽しみたい。