アーミッシュ・キルトを訪ねて

　独特なデザインから、20世紀後期にモダンアートとして注目を集めたアーミッシュ・キルトの展覧会が開催される。

　アーミッシとは、宗教改革の時代に信教と生活実践を問い直し、スイスやドイツなどを中心に繰り広げられたキリスト教再洗礼派の運動から生まれた。宗教的・世俗的迫害の中で北米に移動し、現在も地域・国家や既存の教会に属さず、聖書を読んで自らの意志で洗礼を受けた個人がともに暮らしている。

　プレーン・ピープル（簡素な人びと）とも呼ばれるアーミッシュが、無地の布をパッチワークしつくるアーミッシュ・キルトは、 鮮やかな色合いと幾何学模様から生まれるデザイン、細やかなステッチが特徴だ。

　本展では、約160点にのぼるキルトや資料を通し、アーミッシュの歴史をひも解く。生活に根ざした美しいキルトを観覧しながら、現在も続くアーミッシュの生活にも注目したい。