小川信治「Behind You - 巨匠と王女たち」

　「世界とは何か」をテーマに、個人の存在を超えた時間の積み重なりや流れを描いた絵画や鉛筆画、コラージュ作品を手がけてきた小川信治。2006年の「小川信治展―干渉する世界」（国立国際美術館）以来、関西では12年ぶりの発表となる個展「Behind You - 巨匠と王女たち」をギャラリーあしやシューレで開催する。

　小川は1959年山口県生まれ、83年三重大学教育学部美術科卒業。近年の個展に「干渉法ー鏡像とロンドによる」（MAHO KUBOTA GALLERY、2017）、「小川信治展あなた以外の世界のすべて」（千葉市美術館、2016）、「Mirror」（AISHONANZUKA、香港、2016）などがある。

　本展では、若き日のマルグリット公女の肖像画やピサネロの《エステ家の公女》を参照し、「巨匠と王女たち」をテーマに描いた「Behind You」シリーズの新作絵画を発表。西洋名画の中心人物を取り除いた「Without You」、モノクロームの古い写真や絵葉書をもとに同じモチーフを並べた「Perfect World」から派生した作品群は、これまで小川が考察してきた対称性／非対称性、連続生のさらなる探求が展開される。

　このほか、鉛筆画による「Rondo」シリーズの新作《Rondo5》をはじめ、浮世絵から着想した油彩作品も並ぶ。