EXHIBITIONS

村田真 「上の空」

2018.07.20 - 08.11

村田真 デルフト 2018

 高橋由一の《豆腐》を考察し、キャンバス自体を豆腐や焼き豆腐油揚げに見立て描いた《豆腐絵画》、東京国立近代美術館に収められる戦争画全153点を20分の1に縮小・模写した「プチ戦争画」シリーズなど、絵画史を引用したユーモラスな作品群を発表する村田真。

 1984年まで雑誌『ぴあ』で編集を務め、その後は美術ジャーナリストとして活動。『美術家になるには』(なるにはBOOKS、2002)、『アートのみかた』(BankART、2010)、『いかに戦争は描かれたか』(BankART1929、2017)など多数の著書の出版してきた。朝日新聞や北海道新聞に美術評を寄せ、またBankARTスクール校長を務めるなど、長年にわたって日本の美術界に大きく貢献してきた。2005年からは絵画制作を再開し、ジャーナリストらしいユニークな視点で作品を制作している。

 本展では、フェルメールの《デルフトの眺望》やドラクロワの《ポワティエの戦い》など、数々の歴史的名画の上半分のみを描いた作品群を展示。名画の上半分だけが描かれた作品は本来の主題が何であるかを想像させ、鑑賞者に新たな視点をもたらすだろう。