EXHIBITIONS

はじめての古美術鑑賞

—漆の装飾と技法

2018.05.24 - 07.08

春日山蒔絵硯箱 日本・室町時代 15世紀 根津美術館蔵 重要文化財

春日山蒔絵硯箱 日本・室町時代 15世紀 根津美術館蔵 重要文化財

螺鈿楼閣人物文箱 朝鮮・高麗時代 12-13世紀 根津美術館蔵

存星果実八宝文長方合子 中国・清時代 18世紀 根津美術館蔵

堆黒屈輪文合子 中国・元時代 14世紀 根津美術館蔵 永田牧子氏寄贈

堆朱楼閣人物文香合 中国・明時代 15-16世紀 根津美術館蔵

 「日本の古美術はなんとなく敷居が高い」という声に応えるべく根津美術館が企画する「はじめての古美術鑑賞」シリーズ。3回目となる今回は「漆器」を取り上げる。
 
 縄文土器に塗られている朱色の漆を例に、古代より塗料として日本人の生活の道具に使われてきた「漆器」。高い技術と多くの工数を必要とする漆器は、日本にしか残っていないものもあり大変貴重だが、陶磁器と比べて割れにくいことから、日常的に使用されていたことがわかっている。

 奈良時代、中国から美しい装飾を加えた漆器が紹介されると、日本でも金彩を施した「蒔絵」の装飾が始まり、国を代表する工芸品として世界に知られるようになった。いっぽう、中世以来、中国や朝鮮半島の漆器を「唐物(からもの)漆器」と称した伝統的な工芸品も守られている。

 本展では、日本や中国、朝鮮半島の漆器の歴史や装飾、その技法などをわかりやすく解説。日本の美意識を伝える漆器を身近に感じる機会となるだろう。