EXHIBITIONS

巨匠たちのクレパス画展

日本近代から現代まで 岡本太郎、梅原龍三郎、小磯良平、熊谷守一、猪熊弦一郎・・

熊谷守一 裸婦(部分) 制作年不明 サクラアートミュージアム蔵

岡本太郎 鳥と太陽 制作年不明 サクラアートミュージアム蔵

三岸節子 花Ⅰ 1940頃 サクラアートミュージアム蔵 © MIGISHI

猪熊弦一郎 顔 1950 サクラアートミュージアム蔵 © The MIMOCA Foundation

熊谷守一 裸婦 制作年不明 サクラアートミュージアム蔵

小磯良平 婦人像 1951 サクラアートミュージアム蔵

舟越桂 習作 2002 サクラアートミュージアム蔵

 岡本太郎や梅原龍三郎、小磯良平、熊谷守一、猪熊弦一郎など、近代画壇の巨匠たちによる、知られざる「クレパス画」が集まる展覧会が開催される。

 子供のころ身近にあった「クレパス」はクレヨンとパステルの良さを兼ね備えた画材として、1925年に日本で誕生。学校教材として普及したため、もっぱら子供向けのものと思われがちだが、画面によく定着し、伸びやかで発色がよく、混色や塗り重ね、ひっかくなどの幅広い表現を可能とする優れた特性は、油絵具の入手が難しかった第2次大戦直後に多くの画家たちに注目され、しだいに独自な画材として絵画表現に取り入れられるようになった。

 本展では、サクラアートミュージアムの絵画コレクションから、クレパス開発と普及に関わった画家、山本鼎(かなえ)をはじめ、大正〜昭和にかけて日本画壇で活躍した巨匠たちを中心に、現代の作家たちの作品もあわせて展示。100人を超える作家たちの魅力あふれるクレパス画が競演を果たす。

 また、クレパス誕生のエピソードや社会背景、歴史をパネルなどの資料で紹介。懐かしい商品パッケージや、最多色700色のクレパスも並び、子供の頃に体験した、絵を描く楽しさを思い起こすことができるだろう。