サヴィニャック パリにかけたポスターの魔法

　フランスを代表するポスター作家のひとり、レイモン・サヴィニャックの大規模個展が開催される。

　1949年、40歳のサヴィニャックがベルナール・ヴィルモとの2人展で発表した《牛乳石鹸モンサヴォン》のポスター原画が、モンサヴォンのオーナーの目にとまり、広告へと正式採用。遅まきの成功の後、50〜60年代にかけては、ビック、チンザノ、シトロエン、ダンロップ、ミシュラン、ティファール、プチ・バトーといった企業の広告を数多く手がけ、代表作を次々に生み出した。

　シンプルな造形とあざやかな色彩、そしてかわいらしくユーモアあふれる表現を特徴とするサヴィニャックのポスターは、一見素朴でありながら、広告する製品の魅力を強くアピールするための最良のモチーフ、構成が選び抜かれデザインされている。

　本展では、サヴィニャックの表現の秘密に迫るべく、「動物」「子ども」「働くヒト」といったモチーフや「指さすヒト」といった表現方法、「ビック」「自動車」など製品ごとにセクションを設けて展示。パリの街角を実際に飾った超大型ポスターをはじめ、当時のパリの景観写真、原画や資料、遺品なども含めた200点以上によって、陽気で心躍るサヴィニャックの世界を紹介する。