EXHIBITIONS
小林耕平「あくび・指南」
オブジェクトやドローイングとテキストが相互に影響し合う軽妙なインスタレーションと、パフォーマンスや対話の様子を記録した映像作品を構成し、会場全体を通して能動的な鑑賞を誘う作品を手がける小林耕平。近年では、豊田市美術館や韓国国立現代美術館に作品が収蔵されるなど、国内外で高く評価されている。
本展では、古典落語『あくび指南』とロシアの作家、イヴァン・クルイロフの寓話『白鳥と川魳(かわかます)と蝦(えび)』などから着想を得た新作のオブジェクト数点、それらを小林とデモンストレーターが鑑賞した際の対話の記録を映像化した3点をあわせて発表。
『白鳥と川魳と蝦』は、荷車の運搬を任された3匹の動物が必死に荷車を引く様を書いたもの。それぞれが好き勝手に動くため、3匹にとって軽いはずの荷車はなかなか動かない。いっぽう『あくび指南』は、江戸に私塾として開かれた「あくび指南所」に出かけた主人公とその連れ、指南所の師匠の間で交わされる会話で成り立つ。上手なあくびをするために四苦八苦する主人公を尻目に、講釈に退屈した連れのあくびを師匠が褒めるというオチがつく。
教訓や秩序が暗示される寓話に対し、教訓めいたものが提示されない落語について、「鑑賞者が秩序の外へ放り出される感じ」がすると言う小林。「物(オブジェクトやドローイング)や出来事(映像)を寓話の構造を借りながら鑑賞する方法を探る」、「既存の寓話を解体し、新たな寓話としての物や事を展示空間で起こす」ことをテーマとする本展で、寓話で示されるような教訓や秩序から解放され、全く新しい視点を得る展示を試みる。
本展では、古典落語『あくび指南』とロシアの作家、イヴァン・クルイロフの寓話『白鳥と川魳(かわかます)と蝦(えび)』などから着想を得た新作のオブジェクト数点、それらを小林とデモンストレーターが鑑賞した際の対話の記録を映像化した3点をあわせて発表。
『白鳥と川魳と蝦』は、荷車の運搬を任された3匹の動物が必死に荷車を引く様を書いたもの。それぞれが好き勝手に動くため、3匹にとって軽いはずの荷車はなかなか動かない。いっぽう『あくび指南』は、江戸に私塾として開かれた「あくび指南所」に出かけた主人公とその連れ、指南所の師匠の間で交わされる会話で成り立つ。上手なあくびをするために四苦八苦する主人公を尻目に、講釈に退屈した連れのあくびを師匠が褒めるというオチがつく。
教訓や秩序が暗示される寓話に対し、教訓めいたものが提示されない落語について、「鑑賞者が秩序の外へ放り出される感じ」がすると言う小林。「物(オブジェクトやドローイング)や出来事(映像)を寓話の構造を借りながら鑑賞する方法を探る」、「既存の寓話を解体し、新たな寓話としての物や事を展示空間で起こす」ことをテーマとする本展で、寓話で示されるような教訓や秩序から解放され、全く新しい視点を得る展示を試みる。