田名網敬一／オリバー・ペイン

　1960年代より様々なメディアやジャンルの境界を積極的に横断してきた田名網敬一と、ストリートカルチャーをベースに映像作品やインスタレーション作品を中心に手がけるオリバー・ペインのコラボレーション展が開催。2017年に行われた「Hammer Project : Oliver Payne and Keiichi Tanaami」（Hammer Museum、ロサンゼルス）にて展示された2人のコラボレーション作品に、それぞれの新作を組み合わせて構成される。

　本展で展示されるコラボレーション作品は、ペインが11年の田名網との2人展（プロジェクトスペースStudiolo、チューリッヒ）で、古いアートブックに掲載されたギリシャ彫刻のイメージ上に日本のTVゲーム「首領蜂（ドンパチ）」からインスピレーションを得た弾幕ステッカーを貼りつけたコラージュ作品を基に制作。田名網が描いた偶像、モンスターあるいは古代神像を思わせる人型のキャラクター上にペインが弾幕のステッカーを配置し、真の田名網ファンとして、ファンダム（ファンたちによる二次創作によってつくられた世界）のロジックを作品化する手法で仕上げた。万華鏡のように広がるクラシック・ゲームの混沌とした世界からは、田名網とペインそれぞれの芸術的感性、ポップカルチャーの歴史の融合を見ることができる。

　コラボレーション作品に加えて、田名網は色彩を施したドローイング、コラージュ作品を、ペインは新作のシルクスクリーン作品を出品予定。