山王美術館コレクションでつづる　エコール・ド・パリ展

　山王美術館で「山王美術館コレクションでつづる エコール・ド・パリ展」が開催される。

　20世紀はじめ「芸術の都・パリ」には、世界各地から多くの芸術家が集った。若き芸術家たちは、モンマルトルの「バトー・ラヴォワール（洗濯船）」や、モンパルナスの「ラ・リューシュ（蜂の巣）」といったアトリエ集合住宅に集住し、交流を深めながら制作に励んだ。

　のちに「エコール・ド・パリ」と呼ばれた一群の芸術家たちの多くは、フランス国外からパリへと渡り、モンパルナスを中心に集まった画家・彫刻家たちだった。ロシアのマルク・シャガール、シャイム・スーティン、イタリアのアメデオ・モディリアーニ、ブルガリアのジュール・パスキン、ポーランドのモイズ・キスリング、日本の藤田嗣治、さらにフランス人画家のモーリス・ユトリロやマリー・ローランサンらが代表的な画家とされる。

　彼らは、特定の流派や美術運動のように、明確な芸術理論や主義のもと制作にあたったわけではないが、フォーヴィスムやキュビスムをはじめとする新たな芸術様式や理論に刺激をうけ、ときにはアフリカをはじめとする原始美術をも着想源としつつ、それぞれが母国の伝統や民族性に根ざした独自の表現を探究していた。1920年代に最盛期をむかえ、第二次世界大戦により実質的な終焉を迎えた。

　本展では、山王美術館コレクションのなかより、ローランサン、ユトリロ、モディリアーニ、パスキン、藤田嗣治、キスリングらの作品を展示。