EXHIBITIONS
プラド美術館展
ベラスケスと絵画の栄光
16世紀以降のスペイン王家が収集したスペイン、イタリア、フランドル絵画を中心に約7000点の絵画を所蔵する、スペインのプラド美術館。そんな美の殿堂から、コレクションの核であるディエゴ・ベラスケスの作品とペーテル・パウル・ルーベンス、ティツィアーノ・ヴェチェッリオ、バルトロメ・エステバン・ムリーリョ、フランシスコ・デ・スルバラン、ジュゼペ・デ・リベーラ、クロード・ロランらによる17世紀絵画の傑作などが集まる展覧会が行われる。
本展の見どころのひとつは、マネやピカソなど後世の作家にも大きな影響を与えた17世紀スペインを代表する画家、ベラスケスの作品だ。プラド美術館はベラスケスが残した絵画の半数近くを所蔵するが、国民的画家としての重要性ゆえ、それらがまとまったかたちで貸し出される機会はこれまで限られていたという。展示されるベラスケスの作品は7点。いずれも重要作であると同時に、国内で開催された展覧会では過去最多の出品数となる。
そのなかには、落ち着きはらった5~6歳の王太子が指揮棒を掲げる《王太子バルタサール・カルロス騎馬像》、宮廷画家だったベラスケスの主君であり、稀代の美術コレクターとしてスペイン王室に膨大な絵画コレクションを築いたフェリペ4世が描かれる《狩猟服姿のフェリペ4世》、戦いの神であるマルスを、力強く勇敢な勝利の兵士としてではなく、頬杖をつき疲れた表情をしてベッドの端に腰かける中年男性として描いた《マルス》、ベラスケス自身や妻、長女などの実際の人物に基づき描かれたとされる《東方三博士の礼拝》といった傑作を一同に見ることができる。
国王主導により未曾有の規模での芸術の擁護と収集が進められ、絵画の黄金時代を迎えた17世紀スペイン。本展では、「芸術とは何か」という根源的問題への取り組みを紹介する「芸術」、哲学や思想の表象について探る「知識」、当時は不道徳とされた、神話における裸体表現にフォーカスした「神話」、17世紀カトリック美術の特色と各地域による差異を浮き彫りにする「宗教」など7章を通して、当時の絵画をひもとく。
本展の見どころのひとつは、マネやピカソなど後世の作家にも大きな影響を与えた17世紀スペインを代表する画家、ベラスケスの作品だ。プラド美術館はベラスケスが残した絵画の半数近くを所蔵するが、国民的画家としての重要性ゆえ、それらがまとまったかたちで貸し出される機会はこれまで限られていたという。展示されるベラスケスの作品は7点。いずれも重要作であると同時に、国内で開催された展覧会では過去最多の出品数となる。
そのなかには、落ち着きはらった5~6歳の王太子が指揮棒を掲げる《王太子バルタサール・カルロス騎馬像》、宮廷画家だったベラスケスの主君であり、稀代の美術コレクターとしてスペイン王室に膨大な絵画コレクションを築いたフェリペ4世が描かれる《狩猟服姿のフェリペ4世》、戦いの神であるマルスを、力強く勇敢な勝利の兵士としてではなく、頬杖をつき疲れた表情をしてベッドの端に腰かける中年男性として描いた《マルス》、ベラスケス自身や妻、長女などの実際の人物に基づき描かれたとされる《東方三博士の礼拝》といった傑作を一同に見ることができる。
国王主導により未曾有の規模での芸術の擁護と収集が進められ、絵画の黄金時代を迎えた17世紀スペイン。本展では、「芸術とは何か」という根源的問題への取り組みを紹介する「芸術」、哲学や思想の表象について探る「知識」、当時は不道徳とされた、神話における裸体表現にフォーカスした「神話」、17世紀カトリック美術の特色と各地域による差異を浮き彫りにする「宗教」など7章を通して、当時の絵画をひもとく。