EXHIBITIONS

本郷仁

視線の幾何学・光の修辞学

本郷仁 やわらかな境界 2017

 1964年秋田県に生まれた本郷仁。本郷は東北大学工学部にて金属鋳造を専攻していた在学中に美術鋳物と出会ったことで様々な工芸美術に興味を持ち、卒業後に東京ガラス工芸研究所で総合的なガラス造形の技術を習得し、91年に富山ガラス造形研究所に助手として赴任。活動の初期から野外展にも積極的に参加し、ガラスと金属という異素材を組み合わせた立体作品を発表してきた。近年は鏡の特性である映り込みと反射に関心を寄せ、鑑賞者が作品を介して「見る」ことを再考することをテーマとした作品を制作する。

 本展では、発電所美術館というユニークな展示空間を作品に取り込む新作を発表。鏡に映る自身の姿のみならず、鏡に映る館内の虚像とその奥に見える実像は、鑑賞者に「見る」という行為を体感させるだろう。