EXHIBITIONS

myheirloom 開廊1周年展

川田泰久 小松千倫「Song for Shelter」

2022.10.28 - 11.13

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 myheirloom(3331 Arts Chiyoda内)の開廊1周年展として、川田泰久と小松千倫を迎えた「Song for Shelter」が開催されている。

 昨年の3331 ART FAIR 2021への参加を機に現在のギャラリースペースを構えたmyheirloom。本展は、開廊1周年を記念して、同世代の川田泰久と小松千倫をフィーチャーし、両名の世界観を閉じ込めるための空間として企画された。

 川田と小松は高校時代からの友人でもあり、かねてより2人展の機会を模索していたことから、小松の発案で本展の計画が立ち上がった。川田は近年絵画的モチーフから形成した型にシリコンを流し込むことで膜を複製し、それらをフレームなどに固定した平面作品を制作。いっぽう小松は近年、3Dプリンティングした箱型の文字盤に、同じ発光パターンのLEDイルミネーションライトを閉じ込めた平面作品を展開している。

 川田は絵画におけるマチエールを逆算し、小松は視覚情報の伝達を支える光のコンディションを操作する。両者に共通するのは作者主体の「自然な」制作行為をその途中からある程度機械的に反復させていることだ。

 本展では川田と小松の新作を紹介する。小松はタイトル「Song For Shelter」について以下のように述べている。

「Fatboy Slimの2001年発表のシングル『Song For Shelter』では Wet Willieの『Macon Hambone Blues』(1973)における『Out Under Big Bright Yellow Sun』という肉声がサンプリングされている。この声は40回以上反復されデジタルエコー処理が施されることで最終的に楽曲内のアンビエンス要素と不可分になっている。楽曲はラリー・クラークの2001年作『Bully』におけるラストのバッドトリップ的描写=少年少女への終身刑と電気椅子による死刑の言い渡しのシーンにおいて流れもする。-太陽が残響する- これは比喩ではなく一つのイリュージョンである」。

 なお本展覧会は、People(恵比寿)にて開催予定の、小松がディレクターを務める川田の個展「When the Levee Breaks」との共同開催となる。myheirloomでは照明を落とした暗がりのなかで、Peopleではガラス窓から差し込む自然光のもとで作品を展示し、それぞれの会場の特性を活かす鑑賞体験を意識した試みになるという。