未生の美－技能五輪の技

　豊田市美術館はトヨタ自動車株式会社の特別協力を得て、展覧会「未生の美－技能五輪の技」を開催する。

　全国有数の工業地域として知られる愛知県。なかでも豊田市は自動車産業が盛んな「モノづくり」の中心地であり、古くは猿投古窯に代表される焼き物、近代には養蚕業と伝統的に産業が栄えてきた。

　現在、「モノづくり」の現場では様々な工程の自動化が進み、人の手による作業が機械に置き換わる領域が増えているが、製造業の企業では手作業をこれからも重要視し、人間の手によって自動化されたシステムを制御する技能を伝承していこうとしている。
　
　訓練を重ねた若い技能労働者たちが世界中から集う、2年に一回の「技能五輪国際大会」にあわせて開催される本展では、技能者の手による正確無比な製作物と、それらに触発された美術作家による写真や映像作品が共演する。

　モノづくりにおける人の手わざの重要性を再認識し、その意味や役割を知ると同時に、それらが持つ精確さのなかに「美」を見出し、卓越した技能が生み出す「モノ」に新たな光を当てる。