EXHIBITIONS
日高理恵子 空と樹と
日高理恵子は日本画の素材を用いながらも、伝統的な様式にとらわれることなく、現代美術のフィールドで活躍している画家だ。日高の絵画の特徴は、樹をモチーフとして、真下から見上げる視点で描かれていることにある。季節を問わず、野外で行われる入念な観察とデッサンから、大画面に無数の幹や枝、葉、花芽を隅々まで描写。また、岩絵具を何層も重ねて麻紙に定着させることで、モノクロームの画面は細かな粒子が呼吸をするように、繊細で豊かな色調を帯びていく。
1980年代後半より、「樹を見上げて」「樹の空間から」と作品タイトルを変え、少しずつ変化してきた作家の関心は、2002年に始められた「空との距離」から、樹と空との間の「距離」に向けられていく。日高は樹と空と、そしてその間にある測りしれない空間を、自身の身体を通して見て、感じ、描くことで、独自の絵画表現を切り開こうとしている。樹を見上げる体験から生み出される絵画は、空間の未知なる拡がりを感じさせ、私たちを絵画の内へ、外へと誘うだろう。
国内の美術館で2004年以来の個展となる本展では、「空との距離」シリーズの最新作で展示を構成。絵画の内と外にある空間が、見る者の身体を包み込むような特別な体験を堪能したい。
1980年代後半より、「樹を見上げて」「樹の空間から」と作品タイトルを変え、少しずつ変化してきた作家の関心は、2002年に始められた「空との距離」から、樹と空との間の「距離」に向けられていく。日高は樹と空と、そしてその間にある測りしれない空間を、自身の身体を通して見て、感じ、描くことで、独自の絵画表現を切り開こうとしている。樹を見上げる体験から生み出される絵画は、空間の未知なる拡がりを感じさせ、私たちを絵画の内へ、外へと誘うだろう。
国内の美術館で2004年以来の個展となる本展では、「空との距離」シリーズの最新作で展示を構成。絵画の内と外にある空間が、見る者の身体を包み込むような特別な体験を堪能したい。