ART WIKI

西武美術館/セゾン美術館

Sezon Museum of Art / Seibu Museum of Art

 東京・池袋の西武池袋本店12階に位置した私立美術館。1975年9月に開館。創立者は西武流通グループ(のちのセゾングループ)の堤清二。

 当初の名称は「西武美術館」だったが、89年に「セゾン美術館」に改称。当時の百貨店系美術館としてはめずらしく自館の学芸員を擁し、「時代精神の根拠地」という理念を掲げて先鋭的な企画展を数多く開催した。時代精神の具現化である現代美術や純粋美術の枠を超えたオーバージャンルな表現活動を紹介するほか、美術史の中で確固たる評価の定まったものや人類の文化遺産にあたるものを今日的視点から展開することを活動の軸に据え、セゾングループの文化活動を先導した。併設する美術書専門店「アール・ヴィヴァン」では、世界各国の展覧会図録や美術書、機関紙『アール・ヴィヴァン』を販売した。

 主な展覧会に「荒川修作展」(1979年)、「ヨーゼフ・ボイス展」(1984年)、「芸術と広告」(1991年)、「アバカノヴィッチ展」(1991年)、「バウハウス 1919-1933」(1995年)、「視ることのアレゴリー」(1995年)、「ギルバート&ジョージ展」(1997年)など。99年に閉館。セゾングループの収集品は高輪美術館を前身として91年に改称したセゾン現代美術館に引き継がれている。

文=中島水緒

参考
『西武美術館・セゾン美術館の活動 1975-1999』(セゾン美術館編、セゾン美術館、1999)
セゾン現代美術館ウェブサイト(https://www.smma.or.jp/