ARTISTS

本阿弥光悦

Koetsu Hon'ami

 本阿弥光悦は永禄元年(1558)京都生まれ。書家、陶芸家、芸術家など多方面で足跡を残した。書の世界では近衛信尹、松花堂昭乗とともに寛永の三筆のひとりと称され、その書流は「光悦流」の祖と仰がれる。元和元年(1615)の大坂夏の陣の後、徳川家康から京都北部の鷹峯の地を拝領し、本阿弥一族や町衆、職人などを率いて移住。芸術村(光悦村)を築いた。代表作に『後撰和歌集』の「東路のさのの舟橋かけてのみ思ひわたるを知る人ぞなき」を題材にした独特の形態を持つ国宝《舟橋蒔絵硯箱》(17世紀)などがある。また、長さ13m以上の絵巻《鶴図下絵和歌巻》(17世紀)は、俵屋宗達が下絵を描いたことでも知られている。1637年没。