EXHIBITIONS

Dan McCarthy & 桑田卓郎「Dear Friend」

2022.03.05 - 04.09

ダン・マッカーシー Sour Licorice 2020 © Dan McCarthy Courtesy of KOSAKU KANECHIKA

桑田卓郎 Untitled 2021 Photo by Keizo Kioku © Takuro Kuwata Courtesy of KOSAKU KANECHIKA

ダン・マッカーシー Butternose 2016 © Dan McCarthy Courtesy of KOSAKU KANECHIKA

ダン・マッカーシー Beach Fire 2021 © Dan McCarthy Courtesy of KOSAKU KANECHIKA

桑田卓郎 Tea bowl 2021 Photo by Keizo Kioku © Takuro Kuwata Courtesy of KOSAKU KANECHIKA

桑田卓郎 Untitled 2021 Photo by Keizo Kioku © Takuro Kuwata Courtesy of KOSAKU KANECHIKA

 KOSAKU KANECHIKAでは、Dan McCarthy(ダン・マッカーシー)と桑⽥卓郎による2⼈展「Dear Friend」を開催する。ダン・マッカーシーは今回が日本での初展示となる。

 国際的な現代美術のシーンにおいて、セラミック作品の潮流は2014年頃にピークを迎えたと⾔われている。多くのアーティストたちがセラミックを制作に取り⼊れ、また以前からセラミックを専⾨としてきたアーティストが再発⾒されるという流れがあった。2014頃以降もその活発さは保たれ、セラミックは現代彫刻においてひとつの分野として確⽴されたと⾔える。その潮流の初期の頃から、ダン・マッカーシーと桑⽥卓郎の作品はそれぞれ、アイコン的な存在としてつねに注⽬を浴びてきた。

 マッカーシーは、そのビビッドな⾊合いとプレイフルな造形、とくに顔がモチーフの「Facepot」で知られ、いっぽう桑⽥は⼤胆な釉薬表現の梅花皮(かいらぎ)の茶碗で鑑賞者を引きつける。そして2人の作品をよく見ると、釉薬の探索や焼き⽅、⾦継や「⽯爆(いしはぜ)」といった陶芸の技術の応⽤が、そのキャッチーさを⽀えていることに気づく。

 しかし、マッカーシーと桑⽥の2人のアーティストに共通するのは、その技術⾃体を追求するのではなく、素材の特徴を⽣かし、そして尊重しながらも、別のカルチャーや時代性から客観的にとらえる視点を持つことによって、セラミックという媒体をより広い⽂脈に位置づけ、新しい領域を切り拓いていることだ。

 ⽕を使い、焼いてみないと結果がわからないというセラミックが持つ原初的な過程を、敬意を持ちながら楽しんでいるマッカーシーと桑⽥の作品は、私たちに⾃由について多くの⽰唆を与えてくれる。