KURA展「引き染め」

　ISSEY MIYAKE KYOTOで2022年春夏コレクションを紹介する、KURA展「引き染め」が開催されている。2月23日まで。

「A Voyage in Descent」をテーマとしたISSEY MIYAKE 2022年春夏コレクションは、海を潜り、静寂から見たことのない光景にたどり着く深海までの旅を、様々な素材とフォルムで表現している。いっときとして留まることのない水の流れや揺らぎを表現したのは、京都の職人による「引き染め」だ。

　引き染めは、水を含ませた生地に、刷毛やエアスプレーなどで柄を描き、染料を滲ませていく技法。乾くまで柄が変化し続け、ツヤのある生地は、柄から伝わる水中の静寂とみずみずしさをより際立たせる。今回は、光沢のある生地にエアスプレーでさらに滲ませることで、美しいグラデーションとともに、水中の風景を彷彿させる引き染めが生まれた。

　今シーズンを象徴するシリーズ「SILENCE」は、この引き染めを施したワンピース、トップ、ジャケット、パンツ、スカートの全5型、カラーはYURAGI、NAGAREの全2柄が展開される。

　開催中のKURA展では、京都の職人による「SILENCE」の製作過程を映像で紹介し、YURAGI、NAGAREの2つの柄を実際に展示。工房の風景を再現した上下に広がる2段の生地は、神秘的な海中を模してもいるかのよう。そこに身を預け、目の前に浮かび上がる変幻自在な柄の表情を感じ取ってほしい。