EXHIBITIONS

ポーラ美術館特別協力

new-fashioned:日本洋画 美の系譜

2021.12.10 - 2022.03.13

山本芳翠 裸婦 1880頃 岐阜県美術館蔵 重要文化財

安井曾太郎 薔薇 1954 ポーラ美術館蔵

エドヴァルト・ムンク 壺 1896 岐阜県美術館蔵

ポール・セザンヌ 4人の水浴の女たち 1877-78 ポーラ美術館蔵

黒田清輝 菊 1912 ポーラ美術館蔵

靉光 花園 1940 岐阜県美術館寄託(登録美術品)

青木繁 海 1904 岐阜県美術館寄託

藤島武二 糸杉(フラスカティ、ヴィラ・ファルコニエリ) 1908 ポーラ美術館蔵

 岐阜県美術館で展覧会「new-fashioned:日本洋画 美の系譜」が開催。ポーラ美術館の絵画コレクションと、岐阜県美術館のコレクションによる一大企画として、両館の選りすぐりの作品が一堂に会する。

 視覚的な表現である「絵画」は、時代や社会を超越し、感性や感覚を鑑賞者と交感することができるメディア。歴史が移り変わるたびに、新たな要素を取り込みながら、時代を象徴する表現を生み出してきた。

 デジタル化へと加速度を増す現代社会においては、直接発光する画面越しの画像が日常生活にあふれ、平面上に反射した光を描くこと前提とした従来絵画に、また画家や鑑賞者の視覚認識にかつてないほどの変化をもたらそうとしている。

 本展では、絵画における美の在りかを探るべく、西洋文化が一気に流入し、日本文化に大きな変容をもたらした明治まで時代をさかのぼる。日本に美術が制度として定着していくところから、関連する西洋の絵画に時代を読み解く鍵となる今日の芸術を織り交ぜながら、新たな潮流を創出していった日本洋画の美の変遷をたどる。

 主な出展作家は、山本芳翠、安井曾太郎、エドヴァルト・ムンク、ポール・セザンヌ、黒田清輝、靉光、青木繁、藤島武二など。

 ヨーロッパで誕生した絵画技法のひとつである「油彩画」は、今日では画家のみならず、絵を描くことが好きな人なら一度は挑戦したことがあるであろうポピュラーな技法。いっぽうで、日本で描かれた油彩画は「洋画」とよばれ、長らく同じ技法を用いて制作された西洋絵画とは分けて考えられてきた。

 日本の洋画とは何か、本展ではまた、西洋の影響を深く受けてきた日本人画家の内面における美意識の形成と、様々な表現への拡がりについても紹介する。