岸 裕真 個展「Imaginary Bones」

　√K Contemporaryでは、アーティスト・岸裕真の個展「Imaginary Bones」を開催する。本展キューレーターは隅本晋太朗。

　岸は、AI（人工知能）を中心としたテクノロジーを駆使した作品を制作するアーティスト。AIを「Artificial Intelligence」ではなく「Alien Intelligence（異質な知性）」として扱い、たんなる道具としてではなくひとつの知性としてAIと共創することで、「人間とテクノロジー」の関係性を読み替えることを試みる。作品においては、美術史上に頻出するモチーフを引用。「異質な知性」によって解釈することで、私たちのなかに遍満した美的感覚を脱臼させる感覚を想起させる。

　本展「Imaginary Bones」では、大型スクリーンを使った映像インスタレーションから立体、平面作品まで約25点を展示する。骨（Bones）は、身体の形状を規定するパーツであると同時に、人類が最初期に用いた道具。人類が骨を手にしたとき文明が始まったとするならば、骨は記念碑的なツールといえる。本展ではAIの視点から骨（Bones）を再解釈することで、私たちの世界とは違う形状、ルールによって構成された世界を提示する。

　本展を通じて岸は、既存の文明を原始の部分から読み替え、いま、加速度的な発展によってこれまで私たちによって規定された制度がその根底から融解しつつある状況を表出させる。