イレン・ステリ

　東欧で活躍する写真家 イレン・ステリ の個展が、日本ではじめて開催される。

　本展「Libuna」シリーズは、10代だったジプシーの女性リブナとステリの運命的出会いから死別までの30年間を撮り続けたステリの代表作。リブナと家族、貧困生活のなかでの苦悩、夫との衝突、束の間の幸せなど、生命力に溢れた一人の女性の生活が美しく切り取られている。

　ステリの作品は、『Czech Photography of the 20th Century』をはじめとする、代表的な出版物にすでに紹介されており、プラハ市立美術館・スイスのエルメスギャラリーでの個展など、チェコとスイスを拠点に高い評価を受けている。また、チェコの代表的な写真家、ヨゼフ・スデックの膨大なフィルムをチェコの伝説的な写真評論家アナ・ファロヴァのアシスタント・友人として整理にかかわるなど、チェコ写真史と深い関わりを持った存在である。