EXHIBITIONS

横目にみれば

後藤靖香 《一目瞭然》の展示風景(広島、2021) 撮影=橋本健佑

飯川雄大 《ハイライトシーン: 数センチのポジショニング》の展示風景(京都、2021) 撮影=前谷開

石黒健一 《転がる石と振り子の石》の展示風景(京都、2021) 撮影=前谷開

加藤翼 《Tokyo Loop》の展示風景(京都、2020)

黒田大スケ 《無題》の展示風景(広島、2021) 撮影=橋本健佑

倉知朋之介 《ミュ〜》の展示風景(京都、2021) 撮影=前谷開

西松秀祐 《実況からみる風景》の展示風景(京都、2020)

張小船 / Boat ZHANG 《iPhoneの葬式/Funeral of iPhone》の展示風景(京都、2020)

三原聡一郎 《茶を焙じて移動する》の展示風景(京都、2021) 撮影=前谷開

迎英里子 《ap 13.0(牡蠣)》の展示風景(広島、2021) 撮影=橋本健佑

「ギャラリートラック」の鑑賞・記録をめぐる展覧会「横目にみれば」が開催されている。出展アーティストは、飯川雄大、石黒健一、加藤翼、黒田大スケ、倉知朋之介、後藤靖香、西松秀祐、張小船 / Boat ZHANG、三原聡一郎、迎英里子。

 トラックの荷台をギャラリーとした「ギャラリートラック」は、関西を拠点に活動する美術家・黒田大スケによるプロジェクト。新型コロナウイルスの影響で美術館などの展覧会が延期・中止したことをきっかけに、そのシステムや鑑賞とは何かを改めて問いかける試みだ。ギャラリートラックの鑑賞方法は、走行するトラックの偶然の目撃、ライブ配信の視聴、そしてウェブサイトにアーカイヴされた映像やテキストの閲覧が用意される。

 これまで、2020年12~2月にかけての京都市内でのギャラリートラックには、8名のアーティスト、飯川雄大、石黒健一、加藤翼、黒田大スケ、倉知朋之介、西松秀祐、張小船 / Boat ZHANG、三原聡一郎が参加。4月には後藤靖香と迎英里子、そして黒田が参加し、広島市内を中心に作品を走行・展示してきた。

 本展では、ギャラリートラックのウェブサイトに掲載されていない展示作品の一部、ドローイングなどを公開し、別の視点からの鑑賞を試みるもの。また、ギャラリートラックをいかに記録していくか、そしてアーカイヴを「みる」という鑑賞体験についてギャラリーという場所から考える。

 ギャラリートラックについて、企画者の黒田は次のコメントを出している。

「『走行中のトラックの荷台がギャラリーて、変なことするんやなあ』とお思いの方もおられるかと思います。たしかに現代においては、美術館のように建物の中に展示された作品を観るのが一般的な鑑賞方法であり野外展示の場合でも少なくとも作品は特定の場所にとどまっているものです。しかし、今こそ思い出してください!トラックはそもそもギャラリーであり、芸術は移動するものなのです!!!!!ギャラリートラックとは最もラディカルで野蛮な展覧会の形式であり、コロナの影響で美術館が機能不全にある現在において、展覧会とは何か?作品を鑑賞することは何か?と観ることそのものを問う実験的なプロジェクトです(黒田大スケ)」。